セオドライト
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セオドライトとトランシットの違い、トータルステーションとの使い分け
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測量機器の導入を検討されるお客様からよくいただくのが、「セオドライトとトランシットは何が違うの?」「トータルステーションとの使い分けは?」といったご質問です。ここでは、それぞれの機器の定義と、最適な選択のポイントを解説します。
セオドライトとは?
セオドライトは、
水平角と鉛直角(高度角)を精密に測定するための測量機器の総称です。主に、建築物の墨出し、基準点の設置、土地の高低差測定などに用いられます。測定方法によって、目視で角度を読み取る「光学セオドライト」と、電子的に角度を測定しデジタル表示する「デジタルセオドライト」(当社のNEシリーズはこちらに該当)に大別されます。
光学式セオドライト
目盛盤に刻まれた水平・鉛直の角度を、内蔵された光学マイクロメータ(読取顕微鏡)を通して目視で精密に読み取る測量機器です。このアナログな読み取り方法が特徴で、電源不要で堅牢なメリットがある一方、読み取りには熟練と集中力が必要で、作業者の誤差が生じやすいという側面を持ちます。デジタル化された現代の機器に比べ、測量効率やデータ連携においては劣ります。

デジタルセオドライト
水平角と鉛直角を測定する測量機器で、その名の通り電子的に角度を計測し、デジタルディスプレイに数値を表示します。光学式と異なり、目盛の目視読み取りが不要なため、読み取りミスを大幅に削減し、誰でも素早く正確な測量が可能です。内蔵センサーにより、測量データの処理効率も向上し、現代の測量現場で広く普及しています。防塵・防水性能に優れたモデルも多く、過酷な環境下での使用に適しています。

トランシットとは?
トランシットは、水平角と鉛直角を測定する測量機器で、特に望遠鏡が垂直軸で一回転できる(正倒が可能)特徴を持ちます。その角度測定は、目盛盤に刻まれた角度を、バーニアと呼ばれる補助目盛を用いて目視で読み取るのが基本です。

現在では「セオドライト」とほぼ同義で使われることが多く、特に建設・土木現場では「トランシット」という呼称が一般的です。歴史的な呼称やアメリカ英語圏でよく使われる用語として知られています。
結論として、現代においては「セオドライト」がより一般的な総称として使われ、「トランシット」はその一種や別称として認識されています。
セオドライトとトータルステーションの決定的な違いは?
セオドライトが「角度」の測定に特化しているのに対し、
トータルステーションは「角度」と「距離」を同時に測定できる多機能測量機器です。トータルステーションは、光波測距儀(光を使って距離を測る機能)とセオドライトを組み合わせたもので、座標測量や面積計算など、より広範囲な測量業務を効率的に行えます。

【選定の目安】
- 角度測定のみで十分な場合や、コストを抑えたい場合: 当社のNikonデジタルセオドライト NEシリーズ
- 角度と距離の両方を測定し、測量業務を効率化したい場合: 安価なトータルステーション NST-505C や NST-C3 がおすすめです。
お客様の測量内容や現場の状況に合わせて最適な機器をご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。
セオドライト(デジタルセオドライトを含む)は、その高精度な角度測定能力を活かして、様々な測量や建設、土木の現場で利用されます。 特に建築・土木現場において、「かねだし」作業がセオドライトなどの測量機器を用いて正確に90度の角度を出す作業に使用されます
建築現場
- 基礎・躯体の墨出し:
建築物の正確な位置決めや、柱、壁、梁などの基準線を地面や床に墨で表示する作業。建物の歪みを防ぐために高精度が求められます。
- 垂直・水平の確認:
建物や構造物が正確に垂直に立っているか、水平に設置されているかを確認。
- 高層建築物の高低差測定:
階ごとのレベル(高さ)を正確に合わせる作業。
土木工事
- 道路・鉄道の敷設:
直線・曲線区間の中心線や勾配を設定し、正確な位置と高さを出す作業。
- トンネル掘削の方向管理:
トンネルが計画通りの方向に掘り進められているか、貫通位置が合っているかを確認。
- 橋梁・ダム建設:
構造物の正確な位置決め、高さ管理、部品の据え付け位置の確認。 - 造成工事:
土地の切り盛りを行う際の基準点設置や、計画された勾配の確認。
土地測量・境界測量
- 土地の境界確認:
土地の所有権に関わる境界線を確定するための角度測定。
- 区画整理:
土地を計画的に再配置する際の各区画の角度・方向の測定。
- 地籍調査:
土地の形状、面積、利用状況などを調査し、地図や台帳に記録する作業。
その他
- 設備設置:
大型機械やプラント設備などを正確な角度で設置する際の基準出し。
- 高低差測量:
離れた2点間の高低差を測定する。
- 基準点の設置:
後続の測量作業の基準となる点を設置・確認する。
セオドライトは、特に「角度」を正確に測定することに特化しているため、上記のように、直線や基準線を引く、特定の方向を設定する、構造物の垂直・水平を確認するといった場面で不可欠な役割を果たします。
セオドライト(表示部両面)
デジタルセオドライト
Nikon NE-10RCII |

高い効率性と扱いやすさを追求したタフ&コンパクトな電子セオドライト
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厳しい現場環境にも耐えうる防塵・防水性能に、「軽量」「簡単」「コンパクト」の三拍子揃った効率性能。
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セオドライト(表示部片面)
デジタルセオドライト
Nikon NE-20SCII |

高い効率性と扱いやすさを追求した、電子セオドライト
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厳しい現場環境にも耐えうる防塵・防水性能に、「軽量」「簡単」「コンパクト」の三拍子揃った効率性能
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